認知症の方の介護は温度管理が重要

認知症になると生活全般にさまざまな影響を及ぼします。
その1つとして挙げられるのが、暑さや寒さを感じにくくなる現象です。
認知症では特に、暑さに対する反応が低くなる傾向があります。
このため夏でもコートを着たり、暖房をつけたりする人も多いのです。

認知症で暑さを感じにくくなるのは、自律神経に異常が起こり、体温調節機能がうまく働かなくなるからです。
また、アルツハイマー型の認知症では、季節の移り変わりが正しく認識できず、夏でも冬服を着ることがあります。
それだけではなく、不安感も大きく影響していると考えられます。
認知症の方は不安を感じやすいですから、不安感を寒さとして認識し、厚着をすることで安心感を得ていると考えられています。

夏場でもクーラーを使わない、厚着をするなどの行為は、熱中症や脱水症のリスクが高め、命の危険に関わります。
だからといって、無理に服を脱がそうとするなどの無理強いは、不安やストレスを高めるため逆効果です。
不安を感じずに過ごせるように、穏やかな態度で接しましょう。

対策としては、汗の状態をこまめに確認し、十分な水分補給が行えるよう配慮することが大切です。
夏でも暖房をつけている場合は、本人に気付かれないように設定温度を下げましょう。
厚着をしているなら、「寒いですか?」「汗をかいているから、一枚脱ぎましょうか?」と優しく声を掛けて、薄着を促してください。
「衣替えをしましょう」と声を掛けて、冬物を手の届かない場所に片付けるのも効果的です。
どうしても何かを羽織りたがるようなら、薄手のものを用意してあげましょう。